31歳、二日目の夜
昨日の夜、予定どおり31アイスクリームでお祝いしました。その後、よく行くイタリアンレストランへ…。
そのレストランは前の職場の近くにあるのだけど、仕事の歓迎会やお食事会、ともだちとの女子会、また、恋人とも二回ほど利用したことのあるお店だった。
チェーン店だけど、田舎にあるにしてはお洒落で雰囲気が良く、価格もリーズナブル。それぞれの座席が半個室のように設置されているので、地元の老若男女の皆さんのお喋りに重宝されている感じ。もちろん、お料理も美味しい。
誕生日の前の日の夜の予感は、どうやら的中していた。しあわせの予感。
具体的に何がどうなると予測していたわけではないけれど、何かが始まりそうで、生まれそうで、ワクワクしていた。
(前回の「30歳、最後の夜」をご参照ください)
二人セットのはずなのに二人で食べても量が多くて、満腹。ディナー前に食べた31アイスクリームが確実に影響している。
ひといきついていたら、プレゼントをもらった。
ネタのプレゼントと、本気のプレゼント。
食玩のオモチャ葉書と、職人さん手作りのつげの櫛。
櫛に彫られた自分の名前を見た時、心がジワッとした。そこに込められた彼の気持ちを受け取って。
特に、櫛が欲しい!とリクエストはしていなかったけれど、私はよく彼の前で「クシが無い」「クシどこ行った」と普段使っている櫛を無くして探していることがあった。髪が傷みやすくなったと話もしていた。髪を伸ばすんだ、とも。
自分で欲しいと思っていなかったけれど、今自分に必要なものを受け取った。彼は私の潜在的ニーズを見事に掘り起こしたのだ!
「良い櫛だから一生使えるよ」
「一生」という言葉がこそばゆい気がした。今思うとその言葉にも意味が込められていたのか…。
ひととおり喜んで、余韻に浸って、落ち着いて、良い雰囲気が訪れて。
彼の口が動いた。何かを言う前に先に口が動く癖。人目を気にしながら小声で。
何を言われるのかな、と、単純に思っていた。
「…しよっか」「…しよう」
ついに来た。
未来への提言。
今か!と驚いたけれど、緊張しているだろう彼を安心させたくて、また、自分からも提言を出したかったので、
「うん」「…しよう」
と。私も言った。
あと1か月は先かな、と勝手に思っていた。来月が付き合って二年記念日だったので。
プロポーズって、思い出の場所とか記念日とか、綺麗な夜景を見ながらとか高級レストランとか、勝手に思っていた。昨日のレストランは彼の誕生日もお祝いした場所なので思い出の場所ではある…。けどけっしてリッチではないし夜景は見えても思いっきり車道…。彼は昨日会ったときから普段と変わらないように見えて、「今日は何かがあるぞ…!」「誕生日だし、今日プロポーズされるぞ!」とは思わなかった。いつもどおりリラックスした雰囲気だし、ともだちみたいな気取らない会話。いつもどおりだった。私はリラックスしていたし、期待も予想もしていなかったから、まさに不意打ちだった。なのに気がつくと即答していた。あとで聞くと彼はやはり緊張していたらしい。
けど、不意打ちで良かったように思う。付き合った記念日に!なんて思いこんでいたけれど、あまりにも自分が予想していたとおりに展開していくようでは面白くない。男の人のほうが前のめりなくらいが良い、とも言うしね。
特別と日常の中間くらいの自然な流れが二人には合っていたのだな。あまり気取った行ったことのないようなリッチなレストランは格式ばりすぎていて二人には合わない。
今、少しのときめきと共に案外冷静に文章を書いているけれど、そりゃあ昨日はめっちゃ嬉しかった。イエスノー関係なく、そう言ってくれた彼の気持ちが純粋に嬉しかった。
舞い上がってはいない。自然体。ものすごく結婚したかったわけでもなく、ものすごく結婚したくなかったわけでもないから。
私は「結婚したかった」のではなく「彼と一緒にいたい」だけ。だから結婚にものすごい期待をしていないし、「結婚したら幸せになれる」なんててんで思っていない。なぜなら私はすでにしあわせだから。しあわせは誰かがもたらしてくれるものではなくて、自分が感じる気持ちだから。
先ほど上の会話文で「結婚」を「…」と表記してしまった。「結婚」と表記できないくらいまだ意識の中で現実味を帯びていないところが実際。
今日、さっそく大人のゼクシィなど購入した。書店員さんに調子に乗っているように思われたくなくてわざと必要以上の無表情をつくった。きっと書店員さんはいちいち結婚情報誌を買うお客さんの表情など気にしていないだろうに。自意識過剰な奴だ。
これからお互いの親への挨拶や指輪の購入、顔合わせ会に挙式準備、引っ越し、入籍…いろいろとこなしていくステップがたっくさんある。もよう。
調べたら、プロポーズから入籍までの期間って本当に人それぞれみたいだ。長い人もいるし短い人もいる。それぞれのカップルがそれぞれ自分たちに適したペースで進めているのだろうな。統計を見て、平均の概念もほぼ無い印象を受けた。平均を知りたい、普通はどうなんだろう、と私も思ってしまうけど、そこはやはり自分たちのペースで良いんだろうな。むしろ「平均」に無理やり合わせると失敗するように思う。あくまでも目安。自分たちが心地よいと思えるペースで進めていこう。
でもまだ一日。実感があるような無いような。ドキドキ。ひとまず、今週末別件で実家に帰る機会があるので、そこで報告しようか…な。何というタイミング。
また何か感じたらご報告いたします。