ひりひりくらいがちょうどいい

「大人しい子供」でした。日々の書きたいことを書きたいように書いていきます。

コンサート終わって、新婚旅行終わって

 結婚式後に控えていた二大イベントが終わりました。
 一つは、所属している合唱団のコンサート。もう一つは、ハワイへの五泊七日の新婚旅行です。

 元々コンサートの時期は一年以上前から決まっていて、それを見越して結婚式の時期を決めた。式後すぐに新婚旅行に飛び立つには忙しいので、コンサート終わって一週間後に出立することを式終わって一週間後に決めた。
 独身時代から形を変えながらもかれこれ10年以上続けている合唱団。合唱だけじゃなくて、お芝居やダンスでも表現して舞台を創る。練習場所から遠いところに新居を構えてしまったので、当然移動に時間がかかり週末は一般的な新婚生活よりも忙しくなった。
 忙しいし疲れるし、時間が足りなくて私のせいで新生活の準備もままならないまま。ついイライラして主人にしょっちゅう当たってしまう悪循環。そして後悔と自己嫌悪。
 コンサートの一日前、ついに主人に叱られた。
 「自分の好きなことをやっているんだから、それでイライラして怒ったら駄目だ。
 そんなに怒っていたら楽しくないんじゃないかと思ってしまう。だったら辞めたほうがいいんじゃない?って思ってしまうよ」
 まさに。確かに。当然。私には余裕が無かった。イライラしてしまうとしても、好きで続けていて主人にも協力してもらってるんだから、当たるなんて問題外だ。
 めったに怒ることのない穏やかな主人に叱られた。
 「新婚旅行前だから言うのどうしようかと思ったけど」
 いや、言ってくれて、良かった。叱ってくれて良かった。

 新婚旅行の後半。ショッピングセンターからホテルに戻るトロリーの中、二人並んで夜風に吹かれていた。キラキラ光る夜のワイキキの町並みを眺めていると、涙がこぼれてきた。
 旅の序盤、お腹が空いているのにパンケーキのお店がなかなか見つからずイライラしてしまった。自分も主人も下調べをしていなかったからだと苛立った。些細なことで怒ってしまった。ギスギスしたムードをつくってしまうのはいつも私。周りのハネムーナー、お嫁さんは皆優しくニコニコ笑っているのに。短気な自分を他の女性とくらべて落ち込んだ。
 パンケーキはなかなか食べられず旅は後半へ。諦めかけていた頃に、買い物したお店で主人がパンケーキのお店がどこにあるか聞いてくれた。ようやく食べたパイナップルのパンケーキ。生クリームがたくさん乗っていて美味しかった。
 思い通りにいかないとすぐに態度に出してしまう私。それは主人の前だけなんだけど。優しいから何も言わないだけで本当は我慢している。その優しさに甘えてしまっている。
 こんな自分に、主人は果てしなく優しい。パンケーキのお店、ちゃんと見つけてくれた。本当に優しいなぁ、と、涙がこぼれてしまったのだ。

 しっかりしている、テキパキしている、そんなことよりも、優しさのほうが100倍偉大だ。
 しっかりしていなくても、テキパキしていなくても、何があってもイライラせず怒らずに、人に対して思いやりを持って優しく接することが出来る。簡単そうで難しい。実はとても尊いことなのだ。
 のろけ話になってしまうけど、今さらながら私の主人はある意味偉大な人なのだと思った。
 何はなくとも、大事なのは優しさなんだ。

 イベントが終わり日常生活が再び始まり、何だか寂しい気もするけれど、本当の始まりはここから。優しい主人を見習わなくちゃいけない。何気ないこと、何でもない時間。気持ちを落ち着けて穏やかに。日常の中、小さなことを大切にしていこう。